スライドターンとカービングターンの関係
はじめに
世間一般のスノーボード愛好者だけで無くスノーボードインストラクター仲間でも勘違いしている人が居ました。
ス ライドターンとカービンクターンとの関係…この誤解を解消したいと思います。
初心者向け上級者向け？
「スライドターンは初心者の滑走方法でカービングターンは上級者向の滑走方法」それは少し事実とは違います。
スライドターンはスピードコントロールが容易な滑走方法である為、恐怖心を抑えながら安全にスノーボード滑走技術習得の練習が可能です。
この特長故スノーボード初心者向けの導入技術として用いられます。
エッジグリップを保ったまま板のフレックスでターン弧やスピードを調整するカービングターンはスノーボードの色々な操作が出来ていないと練習すらも難しい事から初心者には敷居が高くある程度上達してから取り組むことになるだけなのです。
でも上級者はスライド技術を使わないかと言うとそんなはずもありません。
一見して気が付かないかもしれませんがカービングが上手い人達は絶妙なタイミングでスライド技術を活用しています。
スライドターンとカービングターンの違い
スライドターンは基本的に体軸を立てたまま角付けの量と荷重の量を調整して板がスライド(ズレる)する量を調整しつつ板を回転させる滑走技術です。
カービングターンは先述の通りエッジグリップをキープしたまま板に力を加え板をたわませてターンを作っていく技術です。
しかしながら現実的に何時でも何処でも斜度やバーンコンディションを超越して常時フルカービングで滑り続けるのは非常に困難です。
仮に出来たとしてもきっと余り楽しくも無いです。
実際の滑走
JSBA等では教程上技術系統を明確にするためスライドターンとカービングターンを分けていますが実際の滑走ではこれをミックスして使用しています。
またそれがが自然なのです。
皆さん明確に意識していないと思いますが中級者以上のカービングでもポイントポイントで板をずらして侵入角やスピードをコントロールします。
上級者でも斜度がきつめの時やバーンが硬いとき、切替直後の谷回りで微妙に板をずらして調整しています。
使用しているスノーボードのフレックスやトーションの特性と滑走者の体重、バーン状況、斜度によって本来取りたいターンのラインをカービングでトレース仕切れない事は良く起こります。
その様な状況では都度スノーボードをスライドさせ減速したり向きを微調整する操作は必須です。
逆にこのずらす調整をしっかり意識して滑走している人が本当の上級者かもしれません。
因みにこの滑走方法はスイング&グライドと呼ばれています。
おわりに
カービング中にスノーボードをずらすと言う操作はカービングを練習中の人がしばしば陥るスノーボードがずれてしまう症状とは異なるので注意が必要です。
どうしてもカービングターン中にボードがずれてしまうのを抑えきれない人は視点を変え改めてスライドターンを練習しスノーボードをスライドさせる技術を習得する事も考えてみては如何でしょう。
スノーボードをスライドさせる方法が明確になれば逆にスライドさせない方法に関しても理解が進むと思います。
スノーボード技術的解説記事はこちらも参考にして下さい。
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