スライドターンでの重心位置と体軸の方向 ~スノーボードの滑走技術~

2022年4月28日木曜日

スノーボード スライド 技術解説

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 以前スライドターンについて解説記事を書きました
 これに関連してスノーボード仲間から新な考察ポイントを入手したので今回は更に深くスライドターンを考えてみたいと思います。

スライドターンでの重心位置と体軸の方向は?


結論

 重心位置は常にスノーボードの上に有ります。 
 体軸方向は重力方向と雪面に対して鉛直方向とをターンの過程に合わせて移動します
体軸方向3Dの図
 ではそれぞれ詳細と理由を検証してみましょう。

ターン中の重心位置

重心位置はボード上をキープ

 スライドターン中のスノーボード上の重心位置は原則全方向においてスノーボードからはみ出す事は有りません。
スライドターン中の重心位置の図

 当然前後左右の重心移動は行って居ますが常にボード上をキープです。
 前後はオーリーやノーズプレスをする訳でも無いので当然で理解も容易いと思います。
 では左右:トゥ、ヒール方向ではどうしてスノーボードからはみ出さない事が必要なのでしょうか?

重心をボードから外さない理由

 スライドターンの場合文字通りスノーボードのサイドカーブを使いながらスライドさせて回転力を生み出す滑走方法を使用します。
 この為常にスノーボードを上から雪面に踏みつける動作が必要になります。
 図で見ると このように押さえ付けられた側は雪に埋もれサイドエッジと雪面のコンタクトを発生させます。
踏みつけられてエッジコンタクトを発生させるボード断面の図

 ところが重心がスノーボードの外に移動してしまうと上から押さえ付けるのではなくてエッジを支点に反対側のエッジを持ち上げる=ボードを立てる動作が始まります。
ボードを立てる動作の図
 略図はトゥサイドの場合で緑の線は足首と膝です。
 ボードのエッジが立ってしまうとスノーボードはスライド出来ません。
 エッジが雪面を捉えてサイドカーブを使ったカービングの動作が始ります。

 これがスライドターンでは重心位置をスノーボード上から外に外さない理由です。


ターン中の体軸の方向

滑走操作に応じて変化する体軸の方向

 スライドターン中の体軸の方向は滑走中ボード操作に合わせて変化します。
 先ず滑走前の停止状態やターン終盤減速し次の切替に入る際では体軸は重力の方向に沿います。
重力方向の体軸の図
 後方から見た図です

 トゥ又はヒールへの重心移動に依るボードの回旋を行う際には体軸は雪面に対して鉛直方向を維持します。
雪面に対して鉛直方向の体軸の図

 それぞれの状態を具体的に確認しながら理由を考えてみましょう。

停止状態の体軸が重力方向である理由

 停止状態の体軸が重力方向なのは理解が容易だと思います。
 斜面で立っているのと同じ状況ですので想像しやすいですよね。
 斜面上で立つ時には地球の重力に沿ったままです。
 重力から外れて傾いて居るとそちら側に倒れるのは明白です。
体軸が重力方向から外れた場合の図

 停止状態でなくその手前減速中は傾くことも有るのでは?と思った人も居ると思います。
 通常はそれで問題ありません。
 ただし今回は純粋にスライドターンのみで滑走する前提条件下での検証である為少々こだわります。
 前項でも述べた様に体軸が傾くと言う事は重心位置がスノーボードから外れる事に繋がり、そうするとボードが立ってカービングの角付けとなります。
 減速時だけならスライドターン自体には問題になりませんが続くボードの回旋時に軸を戻す為の時間が余計に必要になるのでどちらかと言えば余分な動作である為避けたいものです。

スノーボード回旋時の体軸は雪面に対して鉛直方向である理由

 理由自体は明確です。体軸を回転軸としてボードを回転させる挙動を狙うのですからスノーボードを常に雪面をなぞるようにズルズルと回転させたい訳です。
回転させる図
上から見ると
回転させるを俯瞰の図
 もしも回転軸が雪面に対して角度を持っていたら
軸ズレの図
スノーボードは回転途中で雪面に潜り込んだり中に浮いたりする事になりますが、
軸ズレ回転の図
 現実の動作としては実現不可能で回転軸が傾くと実際にはスノーボードの回転が止まってしまう事になります。

おわりに

スライドターンではターン中常に重心位置はスノーボード上をキープ、体軸の方向はターン中のボード操作に合わせて重力に沿う方向と雪面に対して鉛直方向の間で変化します。
体軸方向3D別角度の図
 体軸を向ける方向が解ったとして実際のスノーボード滑走中にこれを実現するのはなかなか難しいです。
 誰もが簡単だろうと考えるのですがいきなり出来る人はほぼ居ません。
 何故ならば斜面上に立つ場合人間は本能的に身体全体を重力方向に合わせて立ちます。転ばない為には当たり前ですね。
 この本能に逆らって自分の意思通りに身体を動かせる様にするのが練習です。
 正確な動作を繰り返す事によって身体は動作を覚えてくれます。
 諦めずに取り組みましょう!


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スノーボード好きエンジニアです。 半月板断裂、肩腱板断裂も復活! スクールは引退しましたがB級インストラクターです。 スノーボード30年目に向けて記録用にブログを始めました

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