スノーボードでの 重心とバランスのお話し
はじめに
スノーボードはボードの上でバランスを取りながらボードを移動させるスポーツ。
とほとんどの人は解っているはずなのですがゲレンデでスノーボードの上に立った途端に何故だか頭の中から吹っ飛んでしまうようです。
でもこれをしっかり理解して意識して滑走する事が上達の最大の秘訣です。
今回はスノーボードでのバランスと重心との関係を考えてみましょう。
静止状態でのバランス
野球のバットを手のひらの上に立てなるべく長い時間バランスを取る遊びを想像してみてください。
バットの持ち手側を手に乗せる場合と打つ方の先端を手に乗せる場合を比較するとどちらのほうが立たせ易いでしょうか。
どちらも立てる事は出来ると思いますが、細い持ち手側を乗せた方が安定すると思います。
バットの重心はボールを打つ先端の太い方に存在します。
これは物理での"慣性の法則"と"力のモーメント"が組み合わさった現象です。
重心から離れた位置で支えられている状態で、重心部は完成の法則に従いその場に静止しようとします。
支えているグリップで重心を移動させる力はグリップから重心位置までの距離の分が倍増されます。
手で支える点から重心までの距離が長い状態の方がじっとしている時には安定している訳ですよね
移動中のバランス
では今度はルールを変えてバットを手の上に立ててその場で出来るだけ早くくるりと一周してみましょう。
このルールだとバットの太い方の先端を手に乗せた方が動かし易いです。
支えている先端と重心感の距離が短くなる為先程と比べモーメントの影響が少なくなった為です。
手で支える点から重心までの距離が短い状態の方が移動させながらのバランスは取りやすいものなのです。
無意識の動作
つまり支点から重心までの距離が長い程、静止状態のバランスは取り易く支点から重心までの距離が短い程、移動状態でのバランスが取り易くなります。
これは先述の通り慣性の法則やモーメントで説明の出来る物理法則ですが別に難しい事ではなくて普通の人なら身体で覚えていて無意識のうちに使っている現象です。
例えば自転車に乗っていて前の方が混んでいて止まりそうだけど止まりたくないなぁ・・・・と言う時なんとなくサドルから立ち上がって体を高くしハンドル操作で粘りますよね。
これ、無意識のうちに身体の重心を高い位置に移動させて静止状態のバランスを取ろうとしている動作なのです。
人間は意識していなくても赤ん坊の頃に歩行訓練を行い、また幼少期に自転車乗車の訓練を行いそれぞれを会得します。
このときに物理法則云々など意識しなくても訓練時の経験でバランスを維持しやすい姿勢や動作を身に付けているものなのです。
スノーボードで重要な意識した操作
スノーボードのレッスンの場合で考えると、停止時以外は「移動する際のバランス」に該当するので重心を低く落として移動に対応させたいのてすが、ほとんどの初心者の方々は恐怖心も有り無意識のうちに伸び上がって重心を上げ静止上体のバランスを取る方向に身体が動いてしまいます。
本当はここで無意識の操作ではなくて意図した動作を出来る様になりたい訳です。
スノーボードのレッスンでもその様な場合に闇雲に「もっと膝曲げて!」「もっと腰を落として!」と掛け声だけを繰り返しても直ぐには体勢は変わりません。
本人も何故伸びてるのか解らない状態だからです。
対策としてはレッスンの合間にでも今回の野球バットのバランスの様なお話で、今なぜ膝を曲げる練習を繰り返しているのかに関して理解を進め無意識では無く意図した動作をより多く出来るように導く事は有効です。
闇雲に身体を動かすのもそれなりに楽しいスノーボードです。
でも着実に上達を期待するならば運動理論にもたまには目を向けてみるのも有効です。
決して難しいものなどではありませんからお気軽に!
まとめ
静止状態でバランスを取りやすいのは高めの重心を維持した姿勢です
移動中にバランスの取りやすい姿勢は重心を低く取った物です
スノーボードの練習では慣れていないと恐怖心等から移動中に不向きな重心を高く維持する姿勢をとりがちです。
慌てず冷静にその滑走状態に適した姿勢を取れるように意図して身体を操作する様になれる練習が必要です。
スノーボード技術的解説記事はこちらも参考にして下さい!
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