スノーボード滑走中の低い姿勢 ~重心位置の高低で何が変化するのか~

2022年4月1日金曜日

コーチング スノーボード 技術解説

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先日スノーボード仲間からこんな質問が有りました。

スノーボード滑走、特に検定で低い姿勢が必要とよく言われますがそもそもなぜ低い姿勢がスノーボードに必要なんでしょう?


 私は低い姿勢が必要と言うよりも低い姿勢が有利だから低くするのだと考えます。
 有利な点は大きく2つ

「動的バランスは支点と重心間の距離が短い程取りやすい」
「姿勢が低いと重心移動を短時間で行える」

 それぞれ詳しくみていきましょう。

静的バランスと動的バランス

 以前こちらの記事(スノーボードでの 重心とバランスのお話し)でも触れましたが
重心と支点間の距離が離れるほどに重心を移動させるモーメントは大きくなりその場で静止させるバランスは取り易くなりますが移動は難しくなります。
重心と支点間遠い図
こんな遊びをやってみると体感出来ます

 逆に重心と視点の距離が短い場合はその場でのバランスは難しくなりますが移動はさせ易くなります。
重心と支点間近い図

 人間の身体全体の重心は通常腰の辺りに存在しますので腰高の姿勢だとこの場合の支点であるスノーボードと重心とが離れる為静止状態では安定度は増しますが滑走中の重心移動は 妨げられる方向に働きます。
高い姿勢と低い姿勢の図
後方から見た高い姿勢と低い姿勢の図

 雪面状況に合わせて機敏に重心の操作を行おうとするのならばスノーボードと腰の距離を短く保つ、すなわち低い姿勢を取る事が必要です。

重心移動に要する距離と時間

 一見意味不明かもしれませんが図で見ると一目瞭然です。トゥからヒール、ヒールからトゥ同じ角付量ならばボードから腰までの距離が長い方が移動距離は長くなります。
重心の移動量の図
オレンジの帯が移動距離です

 これは別に弧を描くベーシックターンの立ち上がり系でなくレーサーの様に直線移動した場合でも同様です。

以上の2つの事から姿勢が低い方が滑走中にバランスを崩す要因である雪面のでこぼこ等のギャップ、硬い軟らかい等のバラつき、エッジ抜け等によるターンサイズの急激な変化への柔軟な対応力を高める事が可能となります。
これがスノーボードでの滑走中に姿勢が低い方が有利な理由です。

まとめ

 何時でも何処でもやたら低い方が良いと言うものでもありません。
 その時の滑走スピード、ターンサイズ、雪面状態等によって程よい姿勢と言うモノは存在します。
 またそれは筋力、柔軟性等個人差又は使用しているマテリアルの性能によっても異なる物です。
 自分の場合はどの程度の姿勢が合っているのか?
 滑走の合間にたまにはこんな事を試してみるのも上達のヒントになるかも知れません。


 スノーボード技術的解説記事はこちらも参考にして下さい!




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スノーボード好きエンジニアです。 半月板断裂、肩腱板断裂も復活! スクールは引退しましたがB級インストラクターです。 スノーボード30年目に向けて記録用にブログを始めました

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