スノーボードの道具が高価な理由 ~ものづくりの立場から~

2022年5月1日日曜日

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スノーボードの道具が高価な理由

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はじめに

 スノーボードを楽しんでいるとついつい新しいギアやグッズ次から次へと欲しい物が出てきます。
 でもでも良いものはどれも高価でお小遣いが幾ら有っても何時も足りません。。。
 なんでスノーボード用品ってこんなに高いのかなぁ とは良く耳にする言葉です。
 今回はこの様なグッズの価格についてのお話です。

物の価格を決める要因

 物の価格は大きくはおおよそ次の3つによって決定します。
 材料費 : グッズを作る際の原材料の価格です
 加工組立費 : 材料から部品を作り出しそれを組み立てるのに必要な工賃です
 物流費 :  作り出した製品を倉庫や販売店などに運ぶ為の費用
 この他にも広告宣伝などの費用や開発に携わる工程での開発費なども必要になります。

コストがかさむアルミプレートの例

 今期スノーボード友達のアルペンボーダーの人達から IRON ROCK と言うプレートの話を良く聞きました。
 そのうちの一人は物凄く良いプレーとなのだけど、アルミの板がどうしてあんなに高いのだろうねとつぶやいていました。
 聞く所に拠ると新品は20万円以上するのでヤフオクで中古買うとか、それでも10万円台後半とか。。。
 私はアルペンには乗っていないので詳しく知らなかったのですが先日そのIRON ROCKの実物を拝見する機会があり色々と納得が行きました。

コスト高の要因1:原材料

 見た目の通りアルミの板なのですがスノーボードのフレックスやトーションに追従する度合いによって数種類のラインナップが有るようです。
 もちろん構造面から剛性を調整することも可能なのですが無垢の材料の硬度も細かく指定して使用していると思われます。
 すなわちメーカーとしては単一の材料をまとめ買いすることが難しくなるため必然的に購入単価が上昇します。

コスト高の要因2:加工方法

 実物を手にして初めて解ったのですがこのプレートの裏側はとても複雑な形状で肉抜きが施されています。
 プレートの厚みが10mm以上、リブの厚みが3mm強でこの形状だと途方もない加工費が必要になります。
 
 全体的に薄い構造で比較的単純な形状であればマスターの型を造り板状の材料をプレスする"鍛造"と言う手法で大量生産が可能ですがプレートの場合肉厚が有り過ぎて鍛造は不可能です。

 少々複雑な形状でも全体が十分な肉厚を確保出来れば、これもマスターの型を造りどろどろに溶かしたアルミを流し込んで量産できる"鋳造"と言う手法も使えるのですがプレートの場合はリブが薄く形状が入り組みすぎていて鋳造では溶かしたアルミが細部に行き渡る前に固まってしまい本来の形状を再現出来ません。

 したがって無垢のアルミの板からプレートの形状を刃物を使って削り出す"切削"という手法しか残されていません。

コスト高の要因3:加工工数(時間)

 削り出すと言っても彫刻刀やのみを使うのではありません金属なのでフライスと呼ばれるドリルそっくりな、でも先端が尖っていない回転工具で少しずつ削り取る事になります。
 ここで少し知識のある人ならば最近はCNC制御で機械が自動で加工するので人では掛からないは?と思うかもしれません。
 確かにその通りなのですが人では掛からなくても加工に時間は掛かってしまうのです。
 金属切削の場合急いで欲張り多くの部分を削ろうとすると材料が割れたり欠けたり場合によっては工具が折れる事もあります。
 材料の硬度と加工形状に依存しますが精密なもので有れば有るほど僅かずつしか削ることが出来ないのです。
 従って長い時間高価なCNCマシンを占拠しての加工工数が必要でそれを単価に反映せざるを得なくなるのです。


コスト高の要因4:物流費

 さて性能も評判も良いプレートですが全世界で何個売れるのでしょうか。
 最近あまり振るわないウインタースポーツの中のスノーボードジャンルでアルペンボードを使用している人達の中でこのプレートを知り購入したいと考えた人のみが対象です。
 世界は広いので購入総数はそこそこ有ったとしても、やはり世界は広いので実販売は分散せざるを得ません。
 人気商品の様に一店舗に数十、数百の商品を送る訳では無いのでほぼ個別の配送が必要になります。
 この流通過程の配送費も当然単価に乗る事になります。

おわりに

 この様な様々な条件でスノーボードのグッスの値段は高くなってしまいます。
 決してメーカーやショップが暴利を得ている訳ではありません。
 少しでもこの状況を変える可能性が有る手段としては皆でカノーボード仲間を増やす事。
 競技人口が増えれば色々な物の購入数も増加し量産効果が現れ単価が下がる原理です。

 焼け石に水・・・かもしれませんが頑張りましょう。
 私もこのブログ解説で一人でも多くのスノーボーダーが増えることを期待しつつ活動しています。



 参考までに本記事で例に用いたIRON ROCKプレートはこちらから購入可能です。
Yahoo!ショッピング

 IRON ROCKの公式サイトはこちらです。




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スノーボード好きエンジニアです。 半月板断裂、肩腱板断裂も復活! スクールは引退しましたがB級インストラクターです。 スノーボード30年目に向けて記録用にブログを始めました

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