スノーボードインストラクターの現実
はじめに
山頂リフト降り場に現れた揃いのユニフォームに身を包んだ数人のグループ。
もしかすると皆さんはスノーボードスクールのインストラクターと聞くとこんなイメージが頭に浮かぶかもしれませんね。
でも現実はなかなかそう甘くはありません。
世の中のインストラクターの皆さんの多くは残念ながら意外と理不尽な環境にさらされているのです。
今回は幾つかそんな実例を紹介したいと思います。
今回は幾つかそんな実例を紹介したいと思います。
インストラクターはリゾートを訪れる客からクレームを付けられる事が有ります。
「客より先にコースに入るな!」
「ファーストトラック楽しみで来てるのにイントラが先に居るとは何事だ!」
これは本当に客の思い違いなのです。
世の中にファーストトラックを堪能出来る程暇なイントラは居ません。
これはレッスンで使用するバーンの状況を確認するバーンチェックと呼ばれる始業前の作業の一つなのです。
数日おきにゲレンデを訪れる皆さんには想像出来ないかも知れませんがゲレンデのバーンの様子は日々変わるのです。
前日の積雪の量と圧雪の仕方次第で片斜になったり戻ったり。
雪面も柔らかい日と硬い日では全く違います。
このような雪面状況と天候を確認しながらその日のレッスン方法を頭のなかで事前に組立て直しているのです。
例えば今日はバーンが固めだからサイドスリップは少し降りて斜度緩い所から始めた方が良いかとか、風が強くて寒いからレッスン中の説明は少し先の木の側まで移動して風を遮れる所でまとめてしてしまおう等なのです。
この様な作業をリフトが稼働し始めてから朝一のレッスンが始まるまでに終わらせないといけないのでイントラもかなり焦りながら頑張っているのです。
また時には滑走中にフェイスマスクを付けているとリゾートの従業員やスクールの校長に叱られる事も有ります。
「お客様の前で顔を隠すとは何事だ!失礼だろ!」
「業務としてリフトに乗って居るのに仕事中に顔を隠すのは非常識だ!」
解らない事も無いのですが少し理不尽です。
当然スクールの受付業務やレッスン中は受講生とのコミュニケーション優先で素顔をさらして対応しますが滑走中は防寒や日焼け防止でフェイスマスクやバンダナは使いたいところです。
特に私などはアトピー性皮膚炎で顔も皮膚が弱く日焼けするとすぐに真っ赤に炎症を起こします、日焼け止めではゲレンデの日射しには耐えきれずフェイスマスクに頼りたいのです。
研修中は例え吹雪でもピーカンの照り返しの中でも爽やかな笑顔を振りまきながら滑らないといけないのは理屈は解っていても結構辛いものです。(注:このお話はコロナ禍前の事です)
更にリゾートの従業員さんから「そんなにずっと滑ってばかりでおかしく無いか? 廻りの我々はずっと仕事してるのだぞ!」と叱られる事も有ります。
インストラクターの殆どはスクール経営側を除いて生計目的ではありません、ひたすらスノーボードが上手く成りたいが為に練習の機会と研修を受ける機会を得たくてスクールに所属して非常勤勤務の形態で本業を別に持ちながら勤務しているのです。
なので当然の様にレッスンの間の僅かな時間でも滑走出来るのであればリフトの1本でも多く1ターンでも多く滑走練習したいのです。
インストラクター検定を控えている時期などでは特に皆必死で練習します。
リゾート会社からすれば客を遊ばせるのが仕事の目的なのでゲレンデで滑走しているインストラクターが遊んでいる様に見えるのも当然なのかもしれません。
でも〇〇リゾートのスノーボードスクールのイントラは下手くそ! 等の評判はリゾートとしてもマイナスなのでは? と考えるのは身内贔屓なのでしょうか。。。
おわりに
この様に一般のイメージなどとは異なり実は結構苦労しているスノーボードインストラクター達なのです。
しかも薄給なのです。
ゲレンデで見かけた際には暖かい目で見守ってあげて下さい。
スノーボードスクールやインストラクターに関しての様々なお話はこちらを参照下さい!
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