アシスト:スノーボードでのコーチング
はじめに
今回の記事はいつもとは少し視点を変えてスノーボードを教える側、インストラクターが気にかけている事について考えてみます。
スノーボードスクールでレッスンを受ける際に普通は意識しないと思いますが逆にインストラクターが気にしている事を知った上でレッスンを受講してみるとイントラそれぞれの個性が垣間見れて面白いかもしれません。
アシストとは
スノーボードのレッスンで受講者を物理的に引っ張ったり支えたりする行為を"アシスト"と呼びます。
写真の様に立ち上がる際の手助けや、サイドスリップで腰が引けてしまって動けない人を支えたり直滑降からターンに入るタイミングを促したりします。
アシストの是非
アシストを積極的に行うか否かはインストラクターによって結構意見が別れます
「自分でやらなければ覚えられないから極力手は貸さない。」と考える人もいれば「受講生あってのレッスンだから」とサービス旺盛に手を貸す人もいます。
何れの考え方も尤もで人それぞれですが、私はどちらかと言えば積極的にアシストする派です。
アシストの目的
私が積極的にアシストを行うのは単なるサービスでは無くて自分自身スノーボードを始めた頃の経験によるものです。
初めて受けるスノーボードレッスンは当然スノーボード自体に慣れてないし緊張して体中に無駄に力が入って物凄く体力を消耗します。
私が初めて2時間の初心者レッスンを受け終わった時にはもう息も絶え絶えで疲労で昼食も喉を通りませんでした。
幸い私はそのままスノーボードを好きになりましたが初回のスノーボードで余りに辛い思いを体験するとスノーボード自体を諦めてしまうかもしれません。
その様な思いから自分がレッスンを指導する立場に変わった今では、出来るだけ私のレッスンでは受講者に無駄な体力の消耗をさせないように気を配る事にしています。
その為に有効なのが各種のアシストです。
スノーボードスクールは街中の〇〇教室などとは少し異なり数日毎に通って毎回指導と練習を繰り返し時間を掛けて上達させてくれる類のものではありません。
僅か2時間程度で道具の扱い方から滑走方法まで各人にとても会得させられる物ではありません、実際にはこの時間をフルに活用して道具の扱い方から滑走に至る各種の練習方法を伝える事が実際のスノーボードスクールの目標です。
従って例えば立ち上がり方を説明して一度練習したからと言ってその場で立ち上がり方をマスターする必要はありません。(後で自主練してもらえば良いだけの話)
その後は立ち上がる際に手を貸して体力を温存してもらい続くサイドスリップ等の練習に進む等の進行を心がけています。
コーチングの醍醐味
レッスンを通して各種一通りの練習方法を伝える事が目標な為、序盤の練習で疲れてしまい続く練習が十分に出来無くなるなどインスタラクターとして勿体なくて申し訳ないです。
また体力的に問題が無くても、ターンの練習等でどうしても恐怖心が抜けずに身体が動かない人も多いですがその場合も片手を差し出して進行方向の手を添えてもらいリードします。
最初はガッチリとしがみつく人も多いですが少しずつ
手を添えるだけ、
人差し指と親指でつまむだけ、
指一本置くだけ
とサポートしている割合がが減った事も大げさに褒めながら恐怖心を薄れさせる様に導きます。
体力を消耗して練習が出来ない人と同様に恐怖心で動けない人もそのままではその工程の練習を経験出来ない事になりそのままでは目標を達成出来ません。
練習をスキップするぐらいならばアシストありで多少不完全でもその練習を体験する方が断然有益だと思います。
勿論大丈夫そうな人、ガンガン行きそうな人等はアシスト無しで一人でどんどん滑ってもらいます。この見極めも大切です。
この様にアシストと呼ばれるレッスン中の何気ない行為一つにも実はインストラクターの様々な考えが詰まっているものなのです。
短いレッスンの間に盛りだくさんなカラキュラムの実行と受講生の運動能力、性格等を推しはかりながらレッスン方法を変化させるスノーボードのクラスは、実はインストラクターにとってはフリーで滑走するのと同じぐらい奥が深く面白く楽しい物なのです。
こんなふうに何時もスノーボードの事を考えている私ですが
スキルマーケットのCoconalaにスノーボードレッスンを出品しています。
機会があれば御利用ください。
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